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病院という特殊な環境において、食事は単なる栄養を補う役割だけでなく、治療や健康管理にも欠かせない役割を果たしています。患者の中には入院生活の楽しみが食事という人も数多くいるでしょう。このページでは病院給食の現状や、食材の仕入れで押さえるべきポイントについて紹介します。
病院給食は診療の一部とみなされる時代もありましたが、2006年に大きな見直しがされ、入院時食事療養費は大幅にカットされました。その影響もあり、病院給食が黒字から赤字に変わったという病院は多く、病院経営を圧迫する要因にもなりつつあるようです。
さらに人手不足や光熱費の増加なども重なり、委託業者を活用している病院の中では、委託費用の見直しを行うところも増えてきています。
病院給食は、病院を運営するにあたって大きな課題のひとつです。しかし入院している患者がいる限り、病院給食をやめることはできず、さまざまな方法で食材費用の削減などに努めています。
本来であれば、鮮度や安全性が最初に重視されるポイントですが、赤字の影響もあり価格重視する傾向は高まっており、今では冷凍野菜や低価格の輸入野菜を使用せざる得ない状況にあります。たとえば彩りをよくするために使用するブロッコリーやさやいんげんなどは、冷凍野菜を使用するケースが多いようです。
また病院という特殊な環境のため、急な入院患者にも迅速に対応しなければなりません。そのため保存ができる冷凍野菜が重宝される事情もあると考えられます。
病院給食は入院患者を治療するにあたって欠かせない、大切なものです。病院の規模が大きくなれば、当然大人数の入院患者の食事を短時間で調理しなければならないこともあるでしょう。それらのポイントに対応できるかどうかが野菜仕入れにおいて重要になってきます。
基本的には決められた献立に合わせて調理を行っていきます。そのため思うように仕入れができなければ、急遽献立を変更するなどの対応に追われてしまうでしょう。その点を考えると、安定的に仕入れられるかどうかは重要なポイント。前々から決められている献立に沿って注文された食材を、決められた時間に搬入してくれれば、患者に対して病院給食を安定的に提供できるでしょう。
入院患者が多くいるような病院では、大人数の食事を大量に調理しなければなりません。野菜の皮をむき、メニューに合わせてカットするのは、かなりの負担になってしまいます。そのためカット野菜などの調理負担を軽減し、時間短縮につながる仕入れができるかどうかもポイントのひとつです。とくに人件費をカットされた病院であれば、なおさら調理負担を減らす仕入れが重要になってくるでしょう。