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仕入れ後に廃棄する野菜、市場に並ばず廃棄される野菜…。野菜の廃棄には種類があります。しかし、どれも「もったいない」ことには変わりありません。
食品ロスを減らすためにできる取り組みと仕入れのコツを紹介します。
野菜の廃棄には2種類あります。1つが過剰仕入れや調理過程で余ってしまうなどで消費しきれずに起こる「食品ロス」。
もう1つは、日光の照射の違いによりサイズが変わってしまう、大根や人参などがうねってしまい形が悪くなってしまうなどで販売に至らない「規格外野菜の廃棄」です。
仕入れ後、購入後に捨てることとなってしまう野菜は「食品ロス」として扱われます。食べられるのに消費できず捨ててしまうというのは、飲食店では極力抑えたいですよね。発注量を間違えてしまうこともあるかもしれませんが、特別なケースを除いて食品廃棄はできる限り減らせるようにしていくことが大切です。
家庭での食品ロスと企業の食品ロスを合わせた量は643万トン、事業食品ロスは2016年度で352万トンといわれています。
※参照元:農林水産省 公式サイト(https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/190412_40.html)
農家が生産する段階で、SやM、Lといった一定の大きさに合わない野菜を「規格外野菜」。販売せずに処分してしまうものが該当します。仕入れ先が購入後に廃棄する食品ロスでも643万トンと大量の食糧が捨てられていますが、この内訳に農家が処分している規格外野菜は含まれていません。
野菜の廃棄を減らすために、令和元年10月1日から施行された「食品ロス削減推進法」。
食品ロスを減らす取り組みをおこない事業者や家庭の理解を深め、推進していくという法です。仔細は決定されていないこともありますが、大きなルールは国で決め、細かなルールは都道府県や市区町村で設定する仕組みになっています。詳しく知りたい方は、地域の公式サイトを閲覧すると良いでしょう。
野菜の廃棄を減らす取り組みの中では、規格外野菜や売れ残って捨てられていた野菜を、フードバンクや子ども食堂へ寄付するという取り組みもあります。施行されたばかりなので、データとしてどれくらいの食品ロスが削減できるのかは未定ですが、少しずつこうした廃棄される野菜を減らす活動が始まっています。
食品ロス削減推進法が広まれば、世界で食糧難に苦しむ人々が必要とする「食料援助量」の380万トンを下回ることもあるかもしれません。
飲食店ひとつひとつ、発注者や調理者ひとりひとりの意識によって、野菜の廃棄は減らせるでしょう。ちなみに、規格外野菜は捨てられずに青果卸売業者や農家が低価格で販売していることもあります。食品ロスや廃棄野菜を減らすために、規格外野菜を購入するのを検討するのも、食品ロス削減の取り組みになります。
野菜は調理をする過程で廃棄される部分が多い食品です。人参や大根のように「皮」を剥いて捨てる、ブロッコリーの茎を捨てるといったように、食べようと思えば食べられる部分を捨ててはいませんか?皮を剥かずに調理はできないか、茎を長く残して調理はできないかを今一度考えることも大切です。
飲食店なら、無駄のない料理を提供するだけでなく、まかないに利用することもできるでしょう。食品ロスをできる限り減らすために、調理方法を見直すのもひとつの方法です。
野菜の廃棄、つまり食品ロスや規格外野菜の処分は、日本全体で改善していく必要のある問題とされています。「食品ロス削減推進法」は施行されたばかりですが、積極的に参加し取り組む体制ができ始めています。
飲食店の場合は仕入れをする段階でできることは何か改めて考え、無駄のない発注と捨てる部分の少ない調理をするように心がけてみましょう。