公開日: |更新日:
野菜の仕入れで大事なのは「鮮度」そして「食べ頃」をチェックすることです。せっかく仕入れた野菜も鮮度が落ちていたり食べ頃を過ぎていたり、その反対にまだ食べ頃ではなかったりすると、商品としての価値は落ちてしまいます。本記事では野菜の鮮度が落ちる原因と種類別の食べ頃などを紹介します。
野菜の鮮度が落ちる原因はさまざまですが、ここでは主な原因をみていきます。
多くの野菜は、収穫後も呼吸をしています。呼吸は、野菜自身の中にある糖分やビタミンCなどの栄養分を分解しながらエネルギーを作り出し、消費している状態です。収穫後も野菜は生命活動を続けようと呼吸をし続けるため、その間に栄養素の分解も進んでしまいます。特に収穫後は生命活動を続けようという意識が高まり、呼吸の速度は高まると考えられています。呼吸を多くした野菜ほど、鮮度が落ちていくのです。
野菜の種類によりますが、水分の割合は85~95%ほどです。収穫を終えてからも野菜は主な成分である水分を蒸発させながら、成長を続けています。水分の割合の5%が蒸発すると野菜のハリツヤは失われて、いわゆる「鮮度が落ちた」状態になるとされています。野菜は組織が柔らかくて水分含有率が高いため、水分の蒸発によって鮮度が落ちやすいのが特徴です。
エチレンガスとは、呼吸を促進するときに作物の成長を早める、植物ホルモンです。エチレンガスは野菜の発するガスで、植物の熟成を進める役割がある反面、野菜や果物が腐敗する原因にもなります。美味しい野菜に育てるために欠かせないガスであるものの、収穫後は劣化を進める原因になるのです。
野菜の種類によって「食べ頃」の時期は異なります。いわゆる「旬」の時期はそれぞれの野菜によって異なりますが、野菜の成長度合いで食べ頃を見極めることも野菜を仕入れる際には重要です。
発芽後すぐに食べたほうが良い野菜、成長途中に食べたほうが良い野菜、そして成熟後に食べたほうが良い野菜を分けて紹介します。
発芽後すぐに食べるべき野菜として知られているのは、もやしです。流通しているもやしのほとんどは発芽後すぐの状態なので、とても柔らかい状態です。もやしは成長しきった状態で売られていると思っている人は多いのですが、実はまだ発芽後すぐの状態であるというのはあまり知られていません。
なす・とうもろこし・アスパラガス・ほうれん草といった野菜は、成長しきる前に収穫して市場に出回っています。どの野菜も成熟すると苦味や硬さなどが出てしまいやすいため、成長途中の柔らかくて水分も豊富に含まれている状態で食べるのが適しています。
にんじん・じゃがいも・トマト・カリフラワーといった野菜は、どれも成熟後が美味しく食べられる時期として出回っています。これらの野菜は成長する前の段階だと硬かったり味が甘くなかったりして美味しさが感じられないため、成熟後を食べ頃としています。
野菜仕入れは、鮮度や食べ頃などを含めて業態ごとに仕入れのポイントがあります。ポイントを理解したうえで実際に仕入れを行うようにすると、より良い状態の野菜が仕入れられるでしょう。
以下ページでは、業態ごとの仕入れのポイントを紹介しています。仕入れを検討する際はぜひ合わせてチェックしてください。