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こちらでは、野菜の相場価格が高騰する理由と、野菜仕入れコスト削減のコツなどについて説明します。週値決めや月値決めなどについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
スーパーの野菜売り場などで確認してもわかるように、野菜の相場価格は日々変動しています。時期によって、相場価格が安いこともありますし、もちろん高いこともあります。相場価格に変動が起こるのは、収穫量が変化するからという理由があります。
野菜の価格は、天候、需要・供給のバランスで違ってきます。天候がよく、多く収穫できる場合は市場に野菜がたくさん入ってくることになり、売れ残りを避けるために価格が低下。その一方、台風などの災害の影響で収穫量が減った場合、市場に出回る野菜が少なくなりますので、急に価格が高騰することがあります。
また、全国的な気温の変化や雨量も、野菜の相場価格に影響してしまいます。それも、想定外の大雨や大雪、大規模な洪水など、災害レベルの気候変動が生じた場合、産地が被害を受けると、その場所の野菜の価格が高騰してしまいます。
そんな中、いかに安定した価格と供給量を維持できるかどうかが、青果卸売業者の腕の見せ所。提案力やリスク管理がしっかりしていれば、取引する側も安心です。
天候や災害などの影響で野菜の価格が高騰し、供給量が減った場合でも、スーパーをはじめ、飲食店などの顧客は変わらず、同じように「購入したい・食べたい」と考えています。そのため、飲食店側は、出来る限り利益を確保しながら、通常メニューを維持する必要があります。
どうしても野菜の仕入れが滞ってしまった際、別の方法も考えなければいけませんが、野菜の相場価格高騰に柔軟に対応し、代替案を提案してくれる業者もいます。
各産地との直接契約で仕入れている業者なら安定した価格で供給できますし、野菜の価格が高騰した時だけでなく、幅広い範囲でサポートしてくれるところもあります。
野菜の仕入れ値には、「週値決め・月値決め・シーズン値決め(旬の時期の3~4か月)・年間値決め」があります。その言葉通り、週や月、年間で仕入れ値を決めることをいいます。
価格が変動しやすい週値決めは、仕入れ費が読みづらいため、スーパーや飲食店にとっては不便。月値決めやシーズン値決めは、価格は安定しやすい一方、不作の年などには仕入れ業者側にとってはダメージとなりますので、仕入れ力がないと厳しい一面もあります。
シーズン値決めは、旬の時期の3~4か月で価格を固定しますので、野菜の相場変動のリスクを軽減。また、年間値決めは、大手チェーンの飲食店などが大手卸しと契約し、その大手卸しが世界各地から安定供給を確保できる場合に実現できる方法です。
「週値決め・月値決め・シーズン値決め(旬の時期の3~4か月)・年間値決め」があると前述しましたが、あるお店では主に、「週間値決め・年間値決め」を採用しています。市場価格を反映させるため、小売業者が取引する際には週間値決めが一般的です。
一方、加工・業務用業者と取引する場合は、価格を長期的に安定させたいという要望に応えるため、年間値決めを取り入れているところがほとんどです。
店側としては、値決めは安定してほしいのが本音。そのため、シーズン値決め・年間値決めが理想ですが、天候条件などによるところも大きいので、週値決めのところが多いのが現状です。
業者と契約する際は、仕入れ値だけでなく、値決めのタイミングについてもチェックするようにしましょう。
日常的に野菜仕入れを行っている業者は、日々、コスト削減のために努力しています。そのコツや実際取り組んでいる工夫について、把握しておくことも大事です。
野菜の多くは、仕入れ量によって単価が変わるもの。それらの野菜については、大量発注すると仕入れコストを大幅に削減することが可能。冷凍保存可能な野菜であれば、ケースごと購入することによって、仕入れコストを抑えることができます。
また、卸業者によっては、まとめ買いやまとめ配送を行うことで単価を下げられる野菜リストを作成しているところも。その他、業者の営業担当者とは、普段から密に連絡を取り合っておくことも重要なポイントです。
親しくなれば、同等の品質でコスト削減できる野菜を教えてもらえることもあります。
1つの卸業者とだけ深い関係を築く場合、色々と融通を図ってくれますのでお得な面もありますが、その一方で、競合他社がいない環境では、コスト削減の面では期待できません。
業者によって、得意・不得意とする野菜もそれぞれ。生産トラブルや不作だった場合には、逆に野菜の単価が上昇してしまうこともあります。そういった事態を避けるためにも、取引先は1つに限定せず、複数の業者に常に価格競争をさせ、野菜の仕入れコストを削減することを検討する必要があります。
実際、複数の業者に相見積もりを取ってみると、野菜の単価が大きく違っていることもしばしば。その際は、「他の業者の方はこれくらい安かった」とやんわりと伝えれば、営業担当者が値引きしてくれる場合もあります。
また、常に適切な仕入れ先を選定するため、他業者の見積もりを確認することや、定期的に取引価格の見直しについて相談することも欠かせません。
市場価格や相場をきちんと把握し、適正価格と仕入れ価格に差がないかを把握しておくことも重要です。
チェックした結果、もし仕入れ先の価格が相場よりも高い時は、今取り引きしている業者ではなく、他の業者を探してみるのもいいかもしれません。
卸業者が明らかに安すぎる価格を提示してきた場合、その業者が無理をしているケースがあります。品質維持はもちろん、他の野菜の仕入れについての影響も考慮し、無理な値下げは求めず、適正価格で取引を行うことでより良い仕入れ環境を維持できるでしょう。
常に卸業者とWin-Winな関係を普段から築けておれば、万が一のトラブルの際にも普段通り対応してくれるなど、結果的にはこちらの利益にもつながり、お得な場合も多いです。
野菜仕入れを行う際、自分の店に合った業者を見つけるためのコツはあるのでしょうか?その他、注意点についてもまとめています。
最初に、何のためにどのような野菜を仕入れるのか、仕入れを行う目的を明確にしておく必要があります。
野菜を安く仕入れたいのか、高級野菜を仕入れてウリにしたいのか、常に安定した供給を目指すのかなど、はっきり目的を定めることで業者選びもスムーズにできるでしょう。
複数の仕入れ業者を比較しようとはいっても、最初はわからないことも多く、大手からはなかなか仕入れられないということも多々あります。
しかし、わからなければわからないなりに、地元の卸業者、スーパーや八百屋、ネット通販業者など、できることはすべてチェック。自分のニーズによりあった仕入れ先を比較・検討する積極的な姿勢が大事です。
野菜や果物の処理に関する独自のサービスを展開している業務用食品問屋は、日常業務に役立つ場合もあります。同じ商品でも、価格や品質、供給量が違ったり、店舗やグループによって得意商品が違ったりする業務用食品問屋。リスク管理として、常に複数の業者を視野に入れておきましょう。
また、信頼して仕入れを任せられるかを判断するため、仕入れ担当者の日頃の態度や仕事ぶりもチェックしておくことが欠かせません。
地元スーパーや八百屋は、とても心強い取引先。日常的に大量の野菜を仕入れることは難しい点もありますが、急遽、いつも以上の量の野菜が必要だったり、消費期限の管理が難しい野菜を仕入れたかったりした時などの特別な状況でも、対応できる利点もあります。
さらに、特売日や特別セールの時は、特定の商品がかなりの安さになっている場合も。卸値よりも小売価格の方が安いケースもありますので、特売日をチェックしておくなど、普段からアンテナを張ってチェックしておきましょう。
コストは高いですが、高級野菜や有名産地の野菜をあえて仕入れることで、それが宣伝効果を発揮する場合もあります。
また、最近では、作り手の顔が見える野菜も多く出回っているので、野菜の安全性をアピールできることはもちろん、それを使った料理なども一緒に強調することができます。
徹底した注文管理で
発注の融通も利きやすい
「その日の状況次第」
な注文でも安心の配送網
ブランディングやPRなど
他店との差別化が図れる
【選定条件】
2023年2月7日調査時点で、Googleで「野菜 仕入れ」と検索して表示される首都圏対応の青果卸売業者40社を調査し、毎日配送(市場休みにも対応)している旨を公式サイトに明記してある会社の中から選定。
【3選の選定条件】
ベストフードカンパニー(徹底した注文管理):調査対象の中で唯一、病院/介護施設専門の担当チームを配置しており、誤納未納率を明記している
ベジクル(安心の配送体制):調査対象の中で唯一、午後便・配送便どちらも対応していることを明記している
フードサプライ(他店との差別化):調査対象の中で唯一、農家と店舗との産直契約を仲介するブランディングサービスを提供している
※調査はいずれも2023年2月時点の公式サイトの記載より判断。